線形代数〜ベクトル空間編〜

どうもー京大生ブロガーくーちんです。
今回は、線形代数の中でも苦戦する人多しのベクトル空間について説明しようと思います。
僕も大学1年生の頃に出会って始めの頃は意味がわかりませんでした。

くーちん
「何を言っているのだ」
「ベクトル空間何それ美味しいの?」

状態でした。

しかし、大学4年生になり大学院入試のために再び勉強し直した時なんとなく分かるようになりました。

正直教科書に書いてある書き方だと難しい気がします。

でも同じ年代の僕が砕けた感じで説明したら、わかってくれるんじゃないかと思って記事にしました。ぜひ最後まで読んでください。

何でベクトル空間を勉強するか、意義は?

 

今までの線形代数で私たちが勉強してきた(逆行列とか行列式とか)のはベクトル空間の一種、数ベクトル空間です。

ではなぜ抽象的な勉強をするのか?

大学生
何でこんなよくわからん事学ぶんだよ〜、やってらんねーよ!
そうなる気持ちを抑えてください。

抽象的に考える事は汎用化に繋がる

抽象理論にまとめ上げることでより汎用化できるようになります

例えば、りんごが落ちる、紙が抜け落ちる、本が落ちる
これだけでは特に進歩はありません。

しかしニュートンが

ニュートン
「地球上のあらゆるものには引力が働く」

ということを発見した。つまり抽象化したことで科学は大きく発展しました。

これと同じように汎用化することで、より線形代数の理論を進歩させることができます。

また同じベクトル空間という性質を持った様々な集合に対し、同じ定理を適用することができます。これが抽象化の強みです。

大学生
いや〜、俺ら単位欲しいだけの大学生にそんなの必要ねえよ〜。。。

そう思う気持ちはわかりますが、勉強する必要はあります。

なぜなら

大学生がベクトル空間を勉強するべき理由

①教授によってはこの範囲も出題してくる可能性がある事

②後々登場するのに「一次独立、線形写像、Im、Kerなどを理解するのに必ず必要だから」

「です。単位さえくれればいいんだ!」っていうあなたも勉強しましょうね!

大学生
わかったよ、わい勉強するでい

ベクトル空間って何すか??

そしてこの記事の本題に入る

まずベクトル空間の公理下に示す。

ベクトル空間の公理
集合 V に次の二つの演算が定義されて,以下の① ∼ ⑧の性質が成り立つとき,Vをベクトル空間 という.

  1. $結合法則(\boldsymbol{a}+\boldsymbol{b})+\boldsymbol{c}=\boldsymbol{a}+(\boldsymbol{b}+\boldsymbol{c})$
  2. $交換法則\boldsymbol{a}+\boldsymbol{b}=\boldsymbol{b}+\boldsymbol{a}$
  3. $\begin{align*}零元の存在:あるVの元\boldsymbol{0}が存在して\\任意の\boldsymbol{a}に対して\boldsymbol{a}+\boldsymbol{0}=\boldsymbol{0}\end{align*}$
  4. $\begin{align*}逆元の存在:任意の\boldsymbol{a}に対してあるV\\の元が存在して\boldsymbol{a}+\boldsymbol{x}=\boldsymbol{0}\end{align*}$
  5. $分配法則1 c(\boldsymbol{a}+\boldsymbol{b})=c\boldsymbol{a}+c\boldsymbol{b}$
  6. $分配法則2 (a+b)\boldsymbol{c}=a\boldsymbol{c}+b\boldsymbol{c}$
  7. $結合法則 a(b\boldsymbol{c})=(ab)\boldsymbol{c}$
  8. $単位元の存在 1\boldsymbol{a}=\boldsymbol{a}$

はあああ?と思いませんでしたか?

だから超砕けた言い方をします。

砕けたベクトル空間の公理

ベクトル空間とは、
集合Vがあります。(ここでは数を想像すると良い)
とにかく何かがたくさん集合しているんだ!!

その集合Vは「和」と「スカラー倍」という2つの演算ができるよう備えられてるんだ

和は簡単で集合の要素同士を足す事だな

また集合の要素のことを業界用語で「元」というから忘れるな〜

スカラー倍は実数や複素数で掛ける事を言う。

そんな2つの演算が備えられたに対して①〜⑧を満たしていたらその集合Vはベクトル空間であると言える。

①$結合法則(\boldsymbol{a}+\boldsymbol{b})+\boldsymbol{c}=\boldsymbol{a}+(\boldsymbol{b}+\boldsymbol{c})$

これはaとbを足した後にcを足しても、bとcを足した後にaを足しても結果は同じと言う事だ!

②$交換法則\boldsymbol{a}+\boldsymbol{b}=\boldsymbol{b}+\boldsymbol{a}$

aにbを足した結果とbにaを足した結果が一緒であるということだ!

③$\begin{align*}零元の存在: あるVの元\boldsymbol{0}が存在して\\任意の\boldsymbol{a}に対して\boldsymbol{a}+\boldsymbol{0}=\boldsymbol{0}\end{align*}$

足しても結果が変わらない零元というのが存在することを言っている

④$\begin{align*}逆元の存在:任意の\boldsymbol{a}に対して\\あるVの元が存在して\boldsymbol{a}+\boldsymbol{x}=\boldsymbol{0}\end{align*}$

足したら零元になってしまう逆元が存在することを言っている

⑤$分配法則1 c(\boldsymbol{a}+\boldsymbol{b})=c\boldsymbol{a}+c\boldsymbol{b}$

先にベクトルを足してからスカラー倍しても、それぞれスカラー倍してから足したものも結果は同じということ!

⑥$分配法則2 (a+b)\boldsymbol{c}=a\boldsymbol{c}+b\boldsymbol{c}$

先にスカラー(実数とか複素数)を足してからベクトルを掛けても、それぞれスカラーにベクトルを掛けてから足しても結果は同じということ!

⑦$結合法則 a(b\boldsymbol{c})=(ab)\boldsymbol{c}$

cにb倍してからa倍しようが、cにab倍しようが結果は変わらないということ

⑧$単位元の存在 1\boldsymbol{a}=\boldsymbol{a}$

1を掛けても変わらない元が存在するっていうこと!

これら8つを満たしていればVはベクトル空間と名付けられるんだよ

大学生
足す順番関係ない?そんなの当たり前じゃん。ばっかじゃねーの?

そう言いたい気持ちはわかります。

しかしそれは今まで触れてきた数学の計算に慣れ過ぎています。

これは抽象的な理論を構築しようという試みなので、我々の持つ”当たり前”を取り除かなければなりません。

当たり前やん!っていう気持ちを我慢しながら勉強を進めて行ってください。

ベクトル空間の例

くーちん
ベクトル空間の具体例を通して、段々馴染んでいきましょう!

2次元、3次元の幾何ベクトル

高校で習ったあの→のついたベクトルのことです。

これはベクトル空間です。実際に証明したいですが、長くなりそうなので②の交換法則だけ示します

$\vec{a}+\vec{b}=\vec{b}+\vec{a}$

つまりaの後にbを足すのと、bの後にaを足すのは一緒です。

数ベクトル空間

数ベクトル空間の元とは、$
\left( a _ { 1 } , a _ { 2 } , \dots , a _ { n } \right)
$

みたいなものである。

上の例ならば、実数全体からなるn個の要素を持つベクトルのことである。

これもベクトル空間の8つの公理を満たしている。②の交換法則に関しては以下の通りである。

$
\left( \begin{array} { c } { a _ { 1 } } \\ { a _ { 2 } } \\ { a _ { 3 } } \\ { \vdots } \\ { a _ { n} } \end{array} \right) + \left( \begin{array} { c } { b _ { 1 } } \\ { b _ { 2 } } \\ { b _ { 3 } } \\ { \vdots } \\ { b _ { n} } \end{array} \right) = \left( \begin{array} { c } { b _ { 1 } } \\ { b _ { 2 } } \\ { b _ { 3 } } \\ { \vdots } \\ { b _ { n} } \end{array} \right) + \left( \begin{array} { c } { a _ { 1 } } \\ { a _ { 2 } } \\ { a _ { 3 } } \\ { \vdots } \\ { a _ { n} } \end{array} \right)
$

ベクトル空間の例には他にも「函数空間」や「線型方程式の解空間」がある。

以上でベクトル空間の説明は終わりです。ありがとうございました。

大学生
わい、これで期末テストも頑張るでい

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